2012年11月22日

医療用リンパドレナージ

11月18日(日)、
静岡県保険鍼灸マッサージ師会による実務者講習会に行ってまいりました。

テーマは、医療用リンパドレナージ。

美容の分野でよく知られているリンパドレナージは、
フォダー式ボッダー式と呼ばれているものだそうです。

エミール・フォダーという方が考案し、

1933年に、パリでの「美容と健康の見本市」で発表されたことから、
美容の分野で広まったそうです。


一方、医療用のリンパドレナージは、

ヨハネス・アスドンクが、フォダーの技術を医療用に再構築し、

アスドンクの病院の責任者に就任したフェルデが、「複合的理学療法
リンパドレナージ・スキンケア・圧迫・運動の四本柱)として、

フェルデ式を確立しました。

医療用リンパドレナージは、癌摘出手術後のリンパ浮腫治療に使われています。

リンパ節を取ってしまうことによって生じる症状なので、

残念ながら、完治するということはほとんどなく、

発症したら症状とずっとつき合っていく必要があります。

定期的な、専門家のマッサージによる保存的な治療を行うことと併行して、

リンパ浮腫患者さんが、

ご自分で注意すべき生活習慣(セルフマネジメント)やセルフケアがあります。

セルフマネジメントとして、皮膚に傷をつけない。

(はだしにならない、やけどに気をつける、猫による引っかき傷、
昆虫や植物による切り傷や刺し傷、爪切り、ハイヒールや衣類、
ベルトによる皮膚の圧迫、バンテージをきつく巻きすぎない など)

注射鍼治療も皮膚に傷をつけるので、禁忌です!

足首を回したり、足枕をしたり、ベッドに角度をつけるなどを行い、
循環を助けたり、皮膚を清潔に保ち、保湿することも大切なことです。

2008年より、リンパ浮腫治療に使われる弾性着衣等は、保険適応になりました。
(リンパ節郭清を伴う悪性腫瘍の術後に発生するもののみ。医師の指示書が必要になります。)

http://lymph.gto.ac.jp/insuarance.html

静岡県では、医療用リンパドレナージを受けることができる治療院が少ない状況です。

http://www.mlaj.jp/link/shizuoka.html

リンパ浮腫患者さんの日常のご苦労は、相当なものだと思います。

患者さんご本人だけではなく、周りもリンパ浮腫に対する正しい知識を持ち、
サポートできる体制ができればいいな、と思います。


  


Posted by pica pica at 16:06Comments(0)マッサージ